数字に強い人が満たしている3つの条件
東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた 数に強くなる本 人生が変わる授業
皆さんは、"もっと数字に強ければ今以上に仕事ができるように見えたり普段の生活でもお金関係などいたるところで合理的に考えられるだろうな"と思ったことはありませんでしょうか。
数字は、時刻・体重・身長・調理時の分量・売上げ・仕事のノルマ・利益など日常生活に密接に存在し、挙げていくとキリがありません。
もちろん数字そのものが読めないということはないと思いますが、数字の意味がわかることとはまた別の話です。
数字の意味がわかると、違った世界が見えてきます。
そこで、今回紹介する本は「数に強くなる本」(永野裕之)です。
著者の永野裕之さんは、東京大学の理学部地球惑星物理学科を卒業後、JAXAの月探チームに所属。
現在は永野数学塾という、数学や物理を個別指導する塾の塾長を務めています。
学生時代に理系の道を選んだのは数学が得意だったからではなく、数字の表す深淵なる世界に魅せられたからというとても純粋な理由です。
永野さんはこれまで20年以上、学生や多くの社会人に個別指導してきた経験を活かして
この本を書き上げていますので、 数に強くなるノウハウを押さえつつ誰よりも分かりやすく説明してくれると思います。
さっそく気になるところを見ていきましょう。
第1部 準備篇
数に強い人になりたければ、まず「数に強い」とはどういうことかを知る必要があります。
例えばサッカーが上手くなりたかったとして、漠然と上手くなりたいと思っていても上達しませんよね。 パス・シュート・ボレー・ドリブルetc... 上手くなるための要素を具体的に考えられなければなりません。
一章では、準備篇と題して「数に強い人」になるための3つの条件を明らかにします。
これを知っているだけでも数に感じるものが以前とは全く違うものになってくるのではないでしょうか。
仕事や生活の上で数字に強くなるためには、高い計算力は必要ありません。また、数学が出来るかどうかも関係ありません。
この3つの条件を満たすことができれば、誰でも自他共に認める「数に強い人=数字を言葉のように扱える人」になれます。
(1)数字を比べることができる
(2)数字を作ることができる
(3)数字の意味をしっている
【この章の効能】
数に強いとはどういうことかを知り、数に強い人になるための条件を明確に知ることができる。(数に対するハードルを下げることができる)
第2部 教養篇
この章では、
1時限目 算数
2時限目 社会
3時限目 自然科学
4時限目 芸術
と授業形式で学校で教わったことを復習しながら、学校では教えてくれなかった
教養も身につけることが出来ます。
文系・理系を問わず楽しみながら読み進められると思います。
数に強くなる第一歩は数字と仲良くなることです。日々目に飛びこんでかる数の羅列の中に、そのキャラクターを知っている数があれば、まるで旧知の友に町中で出会うような親しみと喜びを覚えることと思います。一つひとつの数字の個性を知れば、数字は無味乾燥な記号ではなくなるのです。
インターネット・テレビ・新聞・雑誌を賑わすニュースにはさまざまな数字が登場します。そうしたニュースを理解したり、あるいは日本社会全体を俯瞰しようとするとき、核となる数字は何だろうか?と改めて考えてみました。結果、私が選んだ数字は次の4つです。
・GDP
・労働分配率
・国家予算(一般会計と特別会計)
・出生率
ちなみに一般的なビル1階分の高さが約3mであることは知っておくと便利です。
たとえば世界最大の哺乳類であるシロナガスクジラの体長は約30mですが、これは10階建てのビルに相当します。こう考えると、シロナガスクジラの巨大さが実感できるのではないでしょうか?
もし、1mの長さが図れる状況なら、1mの紐で振り子を作れば、もっと正確に秒数を図ることが出来ます。なぜなら前述の振り子の等時性により、振り子の振り幅によらず、1m振り子の周期は2秒(正確には2.007秒)だからです。
アップルのりんごマークやツイッターの鳥をはじめ、非常に多くのロゴデザインが、フィボナッチ数列に登場する数を半径に持つ円を使ってデザインされています。
【この章の効能】
それぞれの分野の基本となる数字の意味をおさえて、数字に親しみや興味を持つことができる。
第3部
いよいよ実践です。5時限目(数字を比べる)では数字に弱い人に多い原因である「割り算に対する理解不足」を解消し、逆にツールとして利用できるようにしていきます。
6時限目(数字を作る)ではフェルミ推定や定量化といった実生活やビジネスシーンで活用できる技術を身につけます。基礎からここまで習得すれば、確実に周りに差をつけられるでしょう。
くどいようですが、大切なのは割り算には2つの意味があることをしっかりと認識し、それぞれの名称も頭に入れた上で、割り算を行うたびに等分除なのか包含除なのかを判断する癖をつけることです。
分数計算や割合(比)が得意な人と苦手な人の差は、この「分数計算のトライアングル」が頭に入っているかどうかだと言っても過言ではありません。
ビジネスや実生活で重要なのは、今行われている議論の中ではどれくらいの桁数が必要なのか、どのくらいの精度が求められているのかを判断できるようになることです。
【この章の効能】
割合や分数といった基本的なところから始めて、フェルミ推定や定量化の方法を使って考えや思いを伝えられるようになる。ビジネスや実生活でもツールとして活用できるようになる。
この本の特徴
とても実用的な内容でありながら、そこまで難しいことを説いているわけではないので未知と既知の情報の割合が丁度よく、非常に読み進めやすい内容となっています。
特に2章では誰でも聞いたことのあるような内容を分かりやすく丁寧に、まとめているのでスイスイ読み進められます。
聞いたことはあるけど身についてないという事柄をとてもスムーズに身につけられるかと思います。
また、数に強くなるための知識と理論を厳選しているので著者の言う数字の知識の「火種」になりその後につながること間違いなしです。
さすが、20年以上多くの学生や社会人に個別指導してきただけありますね。
読み進めていくと直接マンツーマン指導されているような気分になってきます。
これは数字を得意にする第一歩としてぜひ持っておきたい一冊ですね!
この本はこんな人にオススメ!!
☆数字に強くなりたい
☆会社や学校で一目置かれたい
☆数字の教養を身につけたい
☆フェルミ推定や定量化について知りたい
☆数字が得意な人が共通して身につけている"コツ"を知りたい
[目次]
第1部 準備篇
第2部 教養篇
∟1時限目 算数
∟2時限目 社会
∟3時限目 自然科学
∟4時限目 芸術
第3部 技術篇
∟5時限目 数字を比べる
∟6時限目 数字を作る